⻭磨き粉や⻭ブラシは化粧品の薬機法適⽤するのか

コロナ禍において、マスクを⼿放せない毎⽇となり、⼝臭が気になる⽅が増えているようです。これによりオーラルケアが前年に⽐べ⾶躍的に売り上げが伸びていると話題です。

近年の傾向として、2017年6⽉。厚⽣労働省が薬事法で定められている⽇本国内で使える⻭磨剤のフッ素化合物添加量を改正しました。従来、フッ化化合物のフッ素配合上限は1000ppm でしたが、国際基準(ISO)と同じ量 1500ppm 上限を認可されました。市販されている⻭磨き粉に含まれるフッ素濃度が変わることで、⼤⼿メーカーより順次モデルチェンジや新製品が発売されました。

では、⻭磨き粉の薬事法は何に適⽤されるのでしょうか。⻭磨き粉は「化粧品の効能効果の範囲」内で記載されております。

【第12条】 (効能・効果の表⽰基準)

規約第 5 条に規定する薬事法で許容される範囲は、化粧品である⻭みがき類については、別表第 1
に掲げる事項とし、医薬部外品である⻭みがき類については、別表第 2
に掲げる事項とされています。個⼈的な⾒解ですが、⻭磨き粉は、化粧⽔や乳液と⽐べて表現できる幅が広い印象です。

別表第 1

  • ムシ⻭を防ぐ(使⽤時にブラッシングを⾏う⻭みがき類)。
  • ⻭を⽩くする(使⽤時にブラッシングを⾏う⻭みがき類)。
  • ⻭垢を除去する(使⽤時にブラッシングを⾏う⻭みがき類)。
  • ⼝中を浄化する(⻭みがき類)。
  • ⼝臭を防ぐ(⻭みがき類)。
  • ⻭のやにを取る(使⽤時にブラッシングを⾏う⻭みがき類)。
  • ⻭⽯の沈着を防ぐ(使⽤時にブラッシングを⾏う⻭みがき類)。
  • (注) ( )は効能には含まれないが、使⽤形態から考慮して、限定するもの。
  • (注) 化粧品⻭みがき類の効能の範囲については医薬監⿇発第 288 号(平成 13 年 3 ⽉ 9⽇)等をも勘案する。

裏技ポイントは、「ブラッシング」⽂⾔を⼊れること

薬事的に可能な表現に「⾍⻭を防ぐ」「⻭を⽩くする」という具体的な効果を⽰すことは、他の製品範囲よりも広く感じます。これは、製品そのものに対しての効果を表すことではなく、「ブラッシングすること(摩擦)」により、⻭を⽩くするということとなります。

裏を返せば、ブラッシングがなければこの表現ができないということです。

⼀⽅、⼝中を浄化する、⼝臭を防ぐというものについては⻭磨き粉による効能として表現可能です。

少し話はそれますが、最近、ハンドクリームで除菌をうたいたいという案件がありましたが、化粧品の効果を逸脱しているため不可です。しかし、化粧品の効能効果で(17)汚れ落とすことにより⽪膚を清浄にするとありますが、ハンドクリームの⽬的は保湿のため、これはいうことができません。しかしながら、ハンドクリームを使⽤し、タオルなどで拭き取るという表現を⼊れる(摩擦を暗⽰)ことで、汚れを落とすハンドクリームということが⾔えるのです。

景表法の観点から、 原産国の表記について

これは景表法のからみになりますが、とても⼤切な内容となります。

原産国とは、⻭みがき類の内容について実質的な変更をもたらす⾏為が⾏われた事業所の所在する国の名称となります。ちなみに、下記の内容は実質的な変更をもたらす⾏為に含まれませんのでご注意ください。
  • ア 商品にラベルを付け、その他表⽰を施すこと。
  • イ 商品を容器に詰め、⼜は包装すること。
  • ウ 商品を単に詰め合わせ、⼜は組み合わせること。

実際にあった問題表現とはどんな表現があるのでしょうか。

⻭みがき類の効能・効果⼜は品質に関する内容で、不当表⽰当たるものをまとめました。

「完全」・「完ぺき」・「100 パーセント」・「すべて解決する」など保証表現は NG です。 客観的な根拠のない「世界⼀」・「⽇本⼀」・「当社だけ」・「絶対」・「群を抜く」・「第⼀位」・「最⾼(級)」・「最⼤(級)」・「最上(級)」・「トップを⾏く」その他これらに類似する⽤語は根拠がないものは不可です。「⻭のヤニをグーンととる。」・「⻭を真っ⽩にする」・「家庭から⾍⻭をしめだす」・「タバコのみにズバリ・この⻭みがき」・「ピカピカ⽩」なども不可となります。

医薬品扱いなら⻭周炎や⻭⾁炎の表現が可能に

先⽇、ドラッグストアに⾏き、オーラルケアの商品をリサーチしていたのですが、⻭槽膿漏や⻭⾁炎といった強めの表現を展開している⻭磨き粉が陳列されていました。これらの表現は、医薬品扱いでしたら可能となります。医薬品申請は時間やコストもかかる⼀⽅で、より訴求⼒のある内容が記載できます。またむし⻭を防ぐだけでなく、発⽣、及び進⾏の予防と記載できるのは、購買意欲をかきたてるのではないでしょうか。

別表第 2 (第 12 条に規定する医薬部外品である⻭みがき類)
  • ⻭を⽩くする。
  • ⼝中を浄化する。
  • ⼝中を爽快にする。
  • ⻭周炎(⻭槽膿漏)の予防。
  • ⻭⾁(齦)炎の予防。
  • ⻭⽯の沈着を防ぐ。
  • 「むし⻭を防ぐ」⼜は「むし⻭の発⽣及び進⾏の予防」。
  • ⼝臭の防⽌。
  • タバコのやにの除去。
  • その他厚⽣労働⼤⾂の承認を受けた事項

⻭ブラシは「雑品扱い」として適⽤される

薬事法におけるいくつかの分類のなかでも、「⻭ブラシ」は雑品に分類されます。雑品は、薬事法では細かい指定はないものの、本来の効果を超えるような内容は認められていませ ん。たとえば、雑品である⻭ブラシは医療器具ではないため、治療など⾝体への効果や効能を挙げることが禁⽌されています。また、雑品であるのに、医師などの権威者のイメージ画

像を利⽤して、消費者の混乱を招くようなことも控えましょう。

⻭ブラシの広告で⾏えるのは、汚れや⻭垢の除去についてのみになります。⻭ブラシにより強⼒な洗浄⼒をアピールするために、⻭⽯除去についても訴求したいという⼈もいるでしょう。薬事法において、⻭⽯除去を⽬的とした医療機器の分類があります。⻭ブラシは雑品扱いであり、医療器具ではないため、⻭⽯除去を暗⽰させる表現を使うことができないことを覚えておきましょう。

いかがでしたか。⻭磨き粉や⻭ブラシは消費される商品のため、消費者に⼀度気に⼊っていてもらえれば、⻑く続けてもらえる製品だと思いますが、価格も千差万別です。より魅⼒的な商品と印象付けるため、広告表現が要になるかと思いますので、ぜひ成分や働きを上⼿に表現してみてください。

考⽂例) https://www.hamigaki.gr.jp/hamigaki1/kiyaku_02.html

⻭磨き類の表⽰に関する公正競争規約施⾏規約
カテゴリー: 薬事法/景品法