ブランディングの次は、コンセプトについてお伝えしたいと思います。コンセプトという言葉は聞いたことがある方も多いでしょう。コンセプトは、「ブランドやその製品が消費者にする、シンプルな約束」と私は考えています。 コンセプトを作るにあたり、まずは消費者のインサイトについて考えるのをお勧めします。

インサイトの意味は、“洞察、明察、物事の本質を見抜くこと”です。これを化粧品マーケティングに置き換えてみると下記のようになると思います。
  • 消費者の生活についての深い理解
  • アイディアと消費者間の関連性
  • 個人的に意味があり、動機付けすること
  • 聞いたら、「なるほど!」と感じること
  • 売る側の意見を押し付けるのではなく、消費者の立場、目線で感じる、考えることが何よりも大切です。上記を踏まえて自社のペルソナにあてはめて考えていただきたいのは…
  • ・(ペルソナが)困っていること、不便や不満に思うことは何だろう?
  • ・(ペルソナが)今感じている不便、不満を解決できるものは何だろう?
  • ・(ペルソナが)あったら買ってくれるものは何だろう?
文字で書くとたったこれだけですが、実際に考え始めるとなかなか考え付くものではありません。私は気付いたことがあったり、化粧品以外でもいいアイディアだなと思うと、すぐ忘れてしまうのでスマートフォンにメモしたりしています。覚えておいていただきたいのは、それらは「革新的で超ハイスペックな製品やサービスである必要はない」ということです。今まで存在していた製品でも、パッケージを変更したり、使い方に工夫を加えたりして、新しい製品/サービスとしてペルソナの気持ちを動かせればいいのです。

ここまでくればしめたものです。こちらをコンセプトとして、文字にまとめてみましょう。 コンセプトは、広告のコピーではありません。かっこいいキラキラした言葉である必要はありません。シンプルで分かり易くまとめてみましょう。

余談ですが、以前消費者に理想の化粧品、夢の化粧品は何ですか?というアンケートをしたことがあります。私個人が欲しかったのは、理想のメイクが一瞬でできあがる顔に貼るシートでしたが、4,500件程度あった回答の多くは「肌がきれいに見えて絶対に崩れないファンデーション」、「一日中乾燥しない化粧水」…といったかなり現実的なものでした。化粧品会社で製品開発をしていた私の方が現実離れした考えで赤面したのを覚えています。

言い換えれば、それだけ消費者の悩みは深刻で現実的だということだと思います。 消費者の気持ち(女心)をどれだけ掴めるかが、化粧品を作る肝かもしれませんね。気を付けなければいけないのは、女心は移ろいやすいことでしょうか